新型コロナウイルスの流行により、私たちの日常生活や衛生意識が大きく変わりました。
外出先や家の中での手指の消毒がエチケットとして定着し、アルコール除菌が欠かせないものとなっています。
しかし、ウイルスから身を守るために必要なアルコール消毒が、革製品に思わぬトラブルを引き起こす可能性があることはご存知でしょうか?
今回は、革製品にアルコールが与えるダメージと、その予防や対処法について解説します。
革製品にアルコールはNG!その理由とは?
アルコール消毒が衛生管理に欠かせないものになった一方で、革製品にはアルコールが大敵です。アルコールが革に及ぼす悪影響について解説します。
1. 色落ちのリスク
革製品にアルコールが付着すると、革の表面に施された塗装や染料が溶け出す可能性があります。
さらに、アルコールが蒸発する際に革に含まれる天然の油分も一緒に失われてしまうため、色落ちやひび割れなどの劣化が進行します。
2. コーティングの剥がれ
革の表面には、色落ち防止や保護のためのコーティングが施されています。
しかし、ほとんどのコーティングはアルコールに耐えられないため、アルコールが付着すると染料やコーティングが剥がれてしまい、劣化が進んでしまいます。
3. 凹凸の発生
アルコールが付着した革が乾燥すると、表面がふやけた状態から不均等に乾くため、凹凸やシワができることがあります。
このような変形が起こると元に戻すのが非常に難しく、革製品の見た目や質感を大きく損なう原因となります。
4. 油分が失われる
革には天然の油分が含まれており、これが革の柔らかさや光沢を保つ役割を果たしています。
アルコールはこの油分を奪ってしまうため、革が乾燥し、ひび割れや硬化のリスクが高まります。
もし革製品にシミができてしまったら?
万が一、革製品にアルコールが付着し、シミができてしまった場合の対処法も押さえておきましょう。
ケアクリームは絶対NG!
シミを見つけたときに、焦ってケアクリームを使うのは避けましょう。
アルコール成分が残っている状態でクリームを塗ると、かえって革がダメージを受ける可能性があります。
霧吹きで少量の水を布に吹きかけ、革の表面を優しく拭きます。
この際、無理にこすらず、優しく表面全体を湿らせるようにしましょう。
水分を与えた後は、風通しの良い場所で自然乾燥させると、アルコール成分が抜けやすくなります。
ただし、この方法がすべての革製品に適しているわけではないため、まずは目立たない部分で試すことをおすすめします。
また、ドライヤーなどで強制的に乾かすのは絶対に避けてください。
革が変形したり、色ムラが生じる原因になります。
アルコールが付いたら、できるだけ早く対処することで、シミを防げる場合もありますので、迅速な対応が大切です。
アルコールが使えないとなると、革製品をどのように清潔に保つべきか迷うところですよね。
そこで、革を傷めずに衛生管理を行う方法をご紹介します。
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抗菌効果のある革用クリームを使う
定期的に抗菌クリームでお手入れをすることで、革を保護しつつ清潔に保つことができます。 -
革専用の除菌ミストを使用する
革に優しい専用の除菌ミストも市販されているので、それらを活用するのも一つの手です。 -
中性洗剤を薄めて拭く
水で薄めた中性洗剤をタオルに含ませ、優しく革の表面を拭き取る方法も有効です。
この際も強くこすらないように注意してください。 -
ノンアルコールタイプの除菌シートで拭く
アルコールを含まないタイプのシート”殺菌”する効果はありませんが、菌やウイルスを取り除いて清潔に保つことができます。 -
次亜塩素酸水を使う
たまに変色する革もあるので使う際には注意が必要ですが、次亜塩素酸水は高い殺菌効果を持っています。次亜塩素酸水を浸した布で、気になる部分を拭き取ったあと乾いた布でしっかり水分を拭き取ります。
個人的にオススメなのが、こちらの
アルコール消毒が出来ない素材にも使用出来る除菌クリーナーです。
手軽に使える泡タイプで、溜まった汚れと一緒に付着した雑菌を取り除くことが出来るスグレモノです。
革製品にアルコールが付着すると、色落ちやコーティングの剥がれ、凹凸の発生、乾燥など、さまざまなトラブルが起こる可能性があります。
これらを防ぐためには、アルコール消毒後に革製品に触れないことが非常に重要です。
革製品を長く美しく保つためには、定期的なケアとアルコールに代わる清潔管理の方法を取り入れることが大切です。
今回ご紹介した予防策や対処法を実践することで、革製品を良好な状態で保ち、長く愛用することができます。
大切な革製品をしっかり守り、快適に使い続けられるよう参考にしていただければ幸いです。
